
5月から研修がスタートした、
ようこちゃん(平間陽子さん、29歳)のご紹介です。
2月に2週間のウーフで来てくれたのがきっかけです。
仙台から下道、自前の軽トラックでの登場に、
「気合入っているな」というのが第一印象でした。
初日の作業から指示通り的確に動いてくれて、
会話の中から農業的な予備知識も垣間見られて、
作業後、夕食時などに、お話をすると、
高校生の時から「将来は農業」と決めて、
農業の専門学校からトマト農家での数年間の勤務、
将来の独立就農を見据えての飲食店勤務、
途中ではハードなダブルワーク等もこなしながら、
しっかりと就農資金(私達が見て充分な額)の
準備もしてあるとのこと。
一度、自分で、それなりの広さ(40a)の畑を借りて、
耕作した経験もあり、当時は失敗したが、その難しさも、
肌で知っていて、態勢を立て直し、資金もさらに増やして、
いよいよ本格的な独立就農に向けて、
研修先探しも兼ねて、ウーフをしているという話でした。
今まで来てくれた就農希望の方達の中でも群を抜いて、
着実に「準備」を進めていて、
憧れに留まらない強い意志を持っているのは、
間違いないところでしたので、
お決まりの「まずは就農するかどうか、いちから考え直すように」
といった話は、軽く飛ばして、
「どこで、どうやって就農して、営農していけば、うまくいくか」
と言ったところから、いろいろなお話をさせてもらいました。
就農地は、
生まれた岩手や学生時代から住んでいた宮城といった
東北地方と繋がりを持ちながらも、
農業のやりやすい温暖な場所という点から、
関東を希望していること、
彼女なりの視点「永続可能な営農環境」から
多品目有機農業の選択が視野に入っていること、
などを聞いて、
自分達なりに知っている直売型小規模多品目有機農業の
難しさや面白さや、
移転の経験から知っている関東内での土地による条件差等を
伝えたりしました。
研修先を探しているということでしたので、
ウーフ期間数日の作業やお話の後、早々に、
私達夫婦で話合い、
さいのね畑を研修先の一つとして考えてもらえる様、
お誘いをしました。
「今までの準備と強い意志が無駄にならない様、
さいのね畑の指導やアドバイス等で、
なんとかサポートしてあげたい、できるのではないか」という思いと、
「ようこちゃんの様にやる気がある人が研修生になってくれれば、
さいのね畑の営農にも大きなプラスがある」という思いの2点からです。
もう1つ加えるならば、ニコニコ笑顔で頑張り屋のようこちゃんが、
メンバーに入ってくれれば、全体の雰囲気にも活気が出て、
楽しくなるだろうということ。
もちろん、研修先選びは大切な選択ですから、
他も見て、話を聞いた上で、よく考えて自分で決めてくださいと。。
お誘いはしたものの、その話をした後、ウーフ期間中に、
ちょっとした飲み会があって、さいのね畑(というより私個人)の
ハードでクレイジーな「部分」を存分にさらけ出す(フィーバー)機会が、
期せずして訪れてしまい、
「まあ、うちという選択肢はなくなっただろうが、
下手に知らないで来て、後で後悔するよりは良かったか」、
などと考えつつ、
ウーフ期間中の頑張りに感謝して、ようこちゃんを送り出しました。
数週間後、さいのね畑で研修したいと、連絡がありました。
さいのね畑を研修先として選択した理由は、
「誘ってくれたから。エネルギーを感じたから。面白そうだから。」
こんな感じだったと思います。
「面白そうだから」、これまでの研修生達の理由も、
これが入っていた様な気がします。そんな理由でいいのか。。
違うところをアピールしているつもりですが。。
理由はともあれ、来てくれるなら大歓迎、お互い、本気でやるだけです。
研修期間は、ようこちゃんの就農への計画上もあって、
2年間を予定しています。
1年目でベースとなる知識や技術は身に着けた上で、
2年目はよりスタッフ的に仕事をしてもらいながら、
具体的な就農地探しを千葉、茨城、その他関東圏内も視野に入れながら、
できるだけ妥協なく進めるつもりです。
現在、2ヶ月が過ぎました。
前半1ヶ月は3人の研修生のスタートのタイミングと
年齢、実力が交錯してしまったため、
人員配置や指導過程のペース配分の部分で、
バタバタさせてしまったところもあり、
こちらもかなり悩んだりしたのですが、
私達なりに良く考えて、仕切りなおしとして、
現在は、ようこちゃんに、
リーダー的な役どころもお願いして、
本人もそれをプラスに捉えて、
本当に良く頑張ってくれています。
良く作物を見ていて、
自分なりにしっかりと考えて、
きちんと咀嚼しながら確実に前に進んでいくタイプで、
現在、彼女が持っている力も、
そうやって地道な努力で獲得してきたのだという事が
伝わってきます。
作業時間外や休日も、
常に農業、就農が視野に入れて行動していると言っても、
過言ではなく、一言で言えば、「優秀」です。
ですが、私達も、ようこちゃんに、まだ会ったばかり、
何も知らないですし、2年間の中で何があるかわかりません。
しっかりコミュニケーションを取り、
私達の過信や、ようこちゃんの無理しすぎ、などにも、
気をつけながら、一緒に前進していきたいと思います。
ビニールハウスの蛇を捕まえて、撫でながら
ニコニコと「かわいいです」と言ってたり、
麻衣子の普段のトークやしぐさがツボに入って、
突然笑いだしたり、ちょっと変わった人です。
ようこちゃん、元気はつらつで、笑顔で、頑張っていますので、
皆さん、どうぞ宜しくお願い致します!